札幌競馬場ダート1000mの特徴と傾向まとめ｜攻略法も一挙公開

今回は札幌競馬場ダート1000mの特徴と傾向を、過去5年間（2018年1月1日～2022年12月31日）89レースから導き出された8つの傾向データをもとに徹底分析し、好走馬・期待値の高い馬を見つけるヒントを探ります。施行数は決して多くありませんが、傾向を掴むことで間違いなく勝利に近づくでしょう。記事後半ではデータをさらに深掘りし、札幌競馬場ダート1000mの攻略法を紹介するので、ぜひ馬券検討の参考にしてください。

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札幌競馬場ダート1000mの概要・特徴

まずは札幌競馬場ダート1000mがどんなコースなのか、概要と傾向データを紹介し解説していきます。

コース概要

札幌競馬場のダートコースは、主に未勝利戦・1勝クラスの下級条件のレースが行われており、フルゲートは12頭となります。

全体の高低差が約0.9mと新潟競馬場の0.6mの次に平坦なコース。コーナーが非常に緩やかで丸みを帯びており、直線が短いことも大きな特徴です。そんな新潟競馬場のダート1000mのスタート地点は、2コーナーの出口付近で、最初のコーナーまでの距離は約280m。そして、最後の直線は約264mと非常に短くなっています。1000mと距離が短いうえ、ほとんど坂がなくコーナーも緩やかなため、スタートを決めスピードに乗った先行馬がそのまま掲示板を駆け抜けることが多いコースです。

レコードタイム

札幌競馬場ダート1000m	タイム	性齢	馬名	記録年月日
2歳レコード	58.5	牡2	グランドサン	2001年9月15日
3歳上レコード	57.5	牡6	ミリオンセンプー	1990年6月24日
		牝4	メジャーフォルム	2016年8月21日

2歳レコードは、2001年9月15日にグランドサンが記録した58.5。2歳1勝クラスの条件戦で、1.4倍と圧倒的に支持されたグランドサンは、抜群のスタートからハナを主張しそのまま逃げ切って1着でゴール。良馬場での開催にもかかわらず、2歳レコードを叩き出しました。

3歳上レコードは1990年6月24日にミリオンセンプーが、2016年8月21日にメジャーフォルムが記録した57.5。ミリオンセンプーのレース詳細は不明ですが、メジャーフォルムはおおぞら特別（2勝クラス）でレコードを記録しました。その日は雨が降り、ダートコースは重馬場の発表。8枠11番から勢いよく飛び出し2番手を確保した同馬は、直線を向くと逃げていた馬を軽々と抜き去り1着でゴール。脚抜きの良い馬場が手伝って、レコードタイでの決着となりました。

平均勝ちタイムとラップタイム

札幌競馬場ダート1000mにおける、平均勝ちタイムとラップタイムは以下のとおりです。

クラス	平均勝ちタイム	前3F	後3F	後/前
新馬	1:01.5	36.8	37.0	101
未勝利	59.3	35.1	35.9	102
1勝	58.9	34.9	35.6	102
2勝	58.2	34.2	35.4	104
3勝	ー	ー	ー	ー
OP・重賞	ー	ー	ー	ー

札幌競馬場ダート1000mは、3勝クラス、OP・重賞の開催はありません。馬場状態により0.5〜1.0秒ほど誤差はありますが、平均タイムを超える勝ち時計を出した馬は、クラスがあがっても期待ができます。1000mという距離設定もあり、前半から飛ばしそのままゴールまで駆け抜けるイメージのこちらのコースは、どのクラスも前傾ラップで、最後は我慢比べとなることが多いようです。

札幌競馬場ダート1000mで行われる重賞レース一覧

札幌競馬場ダート1000mで重賞の開催はなく、主に未勝利・1勝クラスといった下級条件のレースが行われます。

札幌競馬場ダート1000mの傾向データ

ここからは、札幌競馬場ダート1000mにおける過去5年間（2018年1月1日〜2022年12月31日）89レースの傾向データを紹介します。さまざまな角度からこちらのコースの特徴を分析していくので、馬券予想の参考にしてください。

人気別

人気	勝率	連対	複勝	単回	複回
１	39.3	51.7	62.9	87	78
２	11.2	37.1	50.6	44	86
３	14.6	28.1	44.9	87	82
４	6.7	19.1	34.8	46	84
５	9.0	14.6	27.0	97	75
６	4.5	12.4	21.3	60	70
7	5.6	11.2	12.4	99	48
８	4.5	13.6	22.7	98	118
９	2.4	8.4	14.5	81	106
10～	0.9	1.7	3.9	48	69

1番人気は水準より少し上くらいの好走率です。特筆すべきは、8.9番人気の複勝回収率が100％を超えていること。特に8番人気は、好走率が5.6番人気とさほど変わらないことから、期待値が非常に高いといえそうです。

枠順別

枠順	勝率	連対	複勝	単回	複回
１	10.1	18.0	24.7	56	67
２	4.5	9.0	18.0	53	57
３	5.6	13.5	21.3	16	59
４	6.7	18.0	30.3	99	77
５	10.7	22.6	28.9	59	82
６	7.1	11.9	22.6	49	96
7	12.9	22.9	33.5	96	78
８	8.2	18.1	24.6	109	94

外枠のほうが好走率が高く、特に7枠が全てにおいて最も優秀な成績をあげています。複勝回収値も内枠に比べて外枠のほうが上ということで、こちらのコースは外有利なトラックバイアスが存在すると考えて間違いないでしょう。

脚質別

脚質	勝率	連対	複勝	単回	複回
逃げ	25.8	40.4	53.9	196	221
先行	17.0	34.0	48.8	142	133
差し	3.1	8.0	14.6	25	41
追込	0.3	2.1	4.9	3	19

逃げ・先行馬の成績が圧倒的で、スタート良く前につけ、そのまま押し切れる馬を見つけられるかが馬券的中のポイントとなります。

反対に、差し・追い込みは散々な成績となっており、行き脚がつかず中団より後ろになってしまう馬は、大きな割引が必要です。

種牡馬別

種牡馬	勝率	連対	複勝	単回	複回
サウスヴィグラス	17.8	24.7	32.9	177	71
ロードカナロア	11.8	21.6	29.4	31	161
キンシャサノキセキ	18.2	24.2	36.4	226	90
ヘニーヒューズ	11.4	22.9	34.3	102	125
スクリーンヒーロー	26.7	40.0	40.0	210	101
アイルハヴアナザー	8.0	28.0	44.0	22	94
シニスターミニスター	14.3	35.7	35.7	142	75
ダイワメジャー	9.5	19.0	23.8	104	57
スマートファルコン	11.8	11.8	17.6	57	68
ゴールドアリュール	4.0	16.0	16.0	6	21

サウスヴィグラス産駒、ヘニーヒューズ産駒、キンシャサノキセキ産駒、ロードカナロア産駒はこちらのコースを得意としているようで、中でもヘニーヒューズ産駒は単勝回収値・複勝回収値ともに100％を超えており、馬券にはなるべく入れておきたいです。

一方で、エスポワールシチーやゴールドドリームなど、G1をいくつも勝つような素晴らしい産駒を輩出しており、どんな距離でもこなせるイメージのゴールドアリュールですが、こちらのコースではほとんど好走出来ておらず、好走率・回収値ともに非常に悪いです。人気でも疑ってかかったほうがよいでしょう。

父系統別

父系統	勝率	連対	複勝	単回	複回
サンデーサイレンス系	7.8	14.2	23.8	75	68
ミスタープロスペクター系	10.3	22.3	31.8	83	104
ノーザンダンサー系	7.1	13.7	19.6	50	62
ナスルーラ系	9.0	17.9	23.9	49	64
その他エクリプス系	11.8	23.5	35.3	26	78

サウスヴィグラス、ロードカナロアらが該当するミスプロ系が非常に優秀で、複勝回収値が100％を超えています。積極的に狙っていきたいですね。

一方、瞬発力よりもスピードの持続力が求められるこちらのコースにおいて、サンデー系は割引が必要なようです。

騎手別

騎手名	勝率	連対	複勝	単回	複回
吉田隼人	19.4	35.5	41.9	128	113
C. ルメール	24.0	36.0	36.0	42	46
横山武史	9.4	22.6	32.1	27	87
池添謙一	17.2	20.7	37.9	52	63
丹内祐次	9.4	9.4	17.0	144	63
岩田康誠	16.7	25.0	33.3	117	53
横山和生	17.4	26.1	30.4	260	110
武豊	25.0	37.5	43.8	103	66
藤岡康太	21.1	21.1	36.8	76	92
菱田裕二	7.7	23.1	33.3	69	92
団野大成	7.0	18.6	25.6	50	60

吉田隼人騎手は騎乗機会それなりに多いにもかかわらず、好走率が素晴らしく、平均5.4人気に対し、平均4.7着と人気以上に好走していることから回収値も優秀。吉田隼人騎手の騎乗馬は、人気に関係なく馬券に入れておきたいですね。

C. ルメール騎手は勝利数こそ多いものの、馬質を考えると物足りない結果となっています。人気になりやすいC. ルメール騎手ですが期待値は低く、こちらのコースで馬券の中心として考えるのは、あまりおすすめできません。

調教師別

調教師名	勝率	連対	複勝	単回	複勝
浅見秀一	26.7	53.3	60.0	418	158
伊藤圭三	21.1	26.3	26.3	111	53
武藤善則	20.0	33.3	60.0	99	236
本田優	16.7	50.0	66.7	45	244
清水英克	10.0	20.0	30.0	116	123
浅野洋一	16.7	25.0	33.3	77	88
羽月友彦	20.0	30.0	30.0	81	66
武英智	13.3	13.3	26.7	252	65
西園正都	6.7	13.3	40.0	54	74
牧浦充徳	0.0	10.0	10.0	0	16

浅見調教師の管理馬は人気薄でも馬券に入れておいた方がよさそう。【4-4-1-6】と連対率が素晴らしいので、軸として最適なデータですね。

牧浦調教師の管理馬は、出走回数20回とこの中で最も多い上、平均4.6人気と支持されているにもかかわらずほとんど好走出来ていないようです。こちらのコースを苦手としている可能性が高く、大幅な割引が必要でしょう。

所属トレセン別

所属	勝率	連対	複勝	単回	複回
美浦	8.2	16.1	24.2	79	78
栗東	9.2	18.8	28.2	62	81

所属トレセンによる傾向データの偏りはありませんでした。

 札幌競馬場ダート1000mの傾向・データまとめ

ここまで8つのデータを使って、札幌競馬場ダート1000mの傾向を紹介してきました。特に重要なポイントは以下のとおりです。

札幌競馬場ダート1000mの攻略方法

ここからは札幌競馬場ダート1000mの傾向データを深掘りし、買うべき馬・消すべき馬を紹介していきます。馬券を検討する際の参考にしてください。

データから見るここが買い【8番人気×5～8枠】

人気別データで8番人気の好走率が高いことが分かりましたが、そこをさらに深掘りし、内枠・外枠見てみると、下記のような面白いデータが見つかりました。

札幌競馬場ダート1000mにおける8番人気の成績

	着度数	勝率	連対	複勝	単回	複回
1~4枠	0-1-1-25	0.0	3.7	7.4	0	40
5~8枠	4-7-7-43	6.6	18.0	29.5	141	152

ご覧のように、8番人気は5~8枠に入った時の好走が目立つ結果となりました。枠順データで、外枠の回収値が内枠に比べ高いと述べましたが、人気薄の好走があってのことです。ちなみに9番人気も、1~4枠より5~8枠のほうが良い成績となっていました。このデータにより、外枠有利なトラックバイアスが存在するということが裏付けられたと言っていいでしょう。『人気薄は外枠なら買う』と覚えておきましょう。

データから見るここが割引【C. ルメール騎手×2番人気以下】

騎手別データで、C. ルメール騎手の成績がイマイチだと紹介しましたが、人気別で見ると1番人気ではしっかりと好走しているものの、2番人気以下になると途端に成績が悪くなるということが分かりました。

札幌競馬場ダート1000mにおけるC. ルメール騎手の人気別成績

	着度数	勝率	連対	複勝	単回	複回
1番人気	6-0-0-5	54.5	54.5	54.5	96	60
2番人気以下	0-3-0-11	0.0	21.4	21.4	0	35

C. ルメール騎手の騎乗馬が2番人気以下だった場合は、馬の能力は下位人気なのにもかかわらず、過剰人気となっている可能性が高く期待値が低いので、大幅な割引が必要です。

データの裏を狙う【ゴールドアリュール産駒は人気なら買える】

種牡馬別データでゴールドアリュール産駒は割引が必要だと説明しましたが、1~3番人気に関してはしっかりと好走出来ているようで割引の必要はなさそうです。

札幌競馬場ダート1000mにおけるゴールドアリュール産駒の成績

	着度数	勝率	連対	複勝	単回	複回
1~3人気	1-3-0-2	16.7	66.7	66.7	28	88
4人気以下	0-0-0-19	0.0	0.0	0.0	0	0

複勝回収値は100％には届かないものの、上位人気でこの数字はむしろ優秀であり買い材料です。ゴールドアリュール産駒＝消し、ではなく1~3人気なら期待値はそれなりに高いことを覚えておきましょう。

開催時期や馬場状態によって狙える穴馬・危険な人気馬

ここからは札幌競馬場ダート1000mにおいて、開催時期や馬場状態でどのように傾向が変わるのか、それによってどんな馬を狙うべきでどんな馬を消すべきなのかを詳しく解説します。

稍重・重・不良なら逃げ馬が圧倒的に有利に

雨が降り、馬場状態が稍重・重・不良となると、元々良かった逃げ馬の成績がさらに良くなることが分かりました。

札幌競馬場ダート1000mにおける逃げ馬の成績

馬場状態	着度数	勝率	連対	複勝	単回	複回
良	14-8-6-31	23.7	37.3	47.5	148	226
稍重・重・不良	9-5-6-10	30.0	46.7	66.7	293	210

特筆すべきは勝率と単勝回収値で逃げ切り勝ちが増える傾向にあるようです。逃げれそうな馬は人気薄でも積極的に狙っていくことで、激走し高配当をもたらしてくれるかもしれません。

札幌競馬場ダート1000mまとめ

今回は、札幌競馬場ダート1000mについて特徴を解説し、8つの傾向データから好走馬を見つけるヒントを探りました。

いかがだったでしょうか。この記事を、馬券検討の参考にしていただければ幸いです！

それでは、よき競馬ライフを！

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参考文献

• JRA公式：コース紹介
• JRA‐VAN：コース解説

札幌競馬場コース一覧

芝1000m	芝1200m	芝1500m	芝1800m
芝2000m	芝2600m
ダート1000m	ダート1700m	ダート2400m